情報セキュリティ事件・事故のまとめ

標的型メール攻撃、内部不正・不注意、ビジネスメール詐欺、サプライチェーンの弱点、システム障害、サイバー攻撃などなど

東建コーポレーション、不正アクセスにより約65万件の個人情報を漏えい

賃貸マンションの建設や不動産の管理の東建コーポレーションは2020年11月17日、同社グループのネットワークが不正アクセスを受けて、個人情報が外部に流出した可能性があると発表した。*1 本件について考えをまとめみた。

事象症状・概要

2020年10月20日に実施した社内調査で、同社グループのWebページを経由して、ユーザーの情報を管理していたサーバーが不正アクセスを受けたことが分かった。

https://www.nasluck-kitchen.jp/

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不正アクセスを受けたWebページは閉鎖している

安全性を確認してから再開する予定。

原因・問題

弊社グループのホームページから、各種ユーザー様の情報を保管していたサーバーへ第三者による不正アクセスを受けた*2

同サイトに大量のアクセスがあったことから、社内調査を進めていた。
www.nasluck.co.jp

子会社で厨房設備などを手掛けるナスラック(同市)の料理レシピサイトを利用する際に登録した顧客の氏名、住所、電話番号、生年月日などが流出したという。*3

料理レシピサイト との記述から以下と推測

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不正アクセスがあった同クループサイトの料理レシピサイト
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不正アクセスを受ける直前の同サイトのWebアーカイブ

流出情報

最大で65万7096件の情報が外部に流出した可能性がある。
以下、公式サイトにある、漏えい情報一覧

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漏えいした情報の一覧【個人】
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漏えいした情報の一覧【法人】

2000年から2020年9月までに、同社グループのサイトで問い合わせやユーザー登録をしたり、キャンペーンに応募したりしたユーザーに関する情報。

考察

料理レシピサイトに不正アクセスがあり、利用する際に登録した顧客の氏名、住所、電話番号、生年月日などが流出したとあるが、公式サイトから流出情報の一覧に東建コーポレーションの情報が含まれている。

また、公式サイトでは

<<弊社グループで使用するホームページから、各種ユーザー様の情報を保管していたサーバーに第三者による不正アクセスを受けた>>

との記述から、「子会社ホームページ」から「各種ユーザ様情報を保管したサーバー」宛てに攻撃を行った、いわば「サプライチェーン攻撃」の一種ではないかと推察。

サプライチェーン攻撃とは
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サプライチェーン攻撃のイメージ

セキュリティ対策が強固な本丸企業のDBを狙うよりも、より脆弱なサプライチェーン企業から攻撃を行い、そこを踏み台にして本丸企業の秘密情報を入手する攻撃。

対処・対応・解決

  • 2020年11月17日から該当するユーザーへ個別におわびや報告
  • 再発防止策として、第三者機関の協力を得て同社グループの全てのWebページを対象に調査やセキュリティー対策も進めていく
  • 関係省庁および所轄警察署に報告し、犯人の特定を含め、今後の対応について相談